遺言の基礎知識

遺言とは、亡くなった人の最終意思を死亡後に実現させるための制度です。遺言があればその通りに相続が行われますが、遺言がなければ相続人の間で遺産分割協議が行われます。しかしそれがトラブルの原因になりやすい性質を持っています。相続人間のトラブルを避けるためにも遺言の作成は重要になります。
遺言といっても無制限に誰でもできるわけではありません。 遺言は満15歳に達していなければなりません。
成年被後見人(常に精神上の障害により、自己の行為について判断能力を欠く状況にあり、後見開始の審判を受けた者)でも遺言はできますが。成年被後見人がする場合は、本心に服したときに医師二人以上の立会いがあれば遺言をすることができます。当然に被保佐人・被補助人は遺言することができます。
この遺言能力は、遺言するときに必要なので、正常な精神状態で遺言をした者が、その後心神喪失になり死亡したとしてもその遺言は有効です。
遺言はどのようなことを書いても、法律上効力をもつものではありません。民法では、@認知、A財産上の処分(遺贈と寄付行為)B後見人および後見監督人の指定、C相続人の廃除または排除の取消し、D相続分の指定または指定の委託、E遺産分割方法の指定または指定の委託、F遺産分割の禁止、G相続人相互の担保責任の指定、H遺言執行者の指定または指定の委託、I遺贈減殺方法の指定の10項目に限られ、これ以外のものについては、仮に遺言書に書いたとしても法律上効力を持ちません。無効な遺言の場合、相続人が遺言者の意思を尊重することは自由ですが強制はできません。

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遺言書の作り方

遺言書の方式には、普通方式として自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があり、特別方式には、危急時遺言、隔絶地遺言があります。
 
■自筆証書遺言  
遺言者が、その全文・日付・および氏名を自分で書き最後に印を押します。ワープロや他人が代筆したもの・テープレコーダー・ビデオなどを用いた場合は、無効になります。民法が認める遺言の方式としては、一番簡単なものですが、自分で作るため無効になりやすいため注意が必要です。
・自筆で書く
・日 付
日付は日にちまで書かないと無効になります。日付は、遺言書成立の日が特定できればよいので、「私の○歳の誕生日」 「還暦の日」等の記載は有効です。しかし、「平成15年○月吉日」等の記載は無効となります。年月日で書くのが望ましいでしょう。
・署名・押印
その氏名は、戸籍上の氏名に限らず、遺言者が通常使用している芸名等でも、書いた者が特定できれば有効です。印は実印を押す必要はなく、三文判であってもかまいません。
・遺言書を加除訂正する場合には、一定の方式で訂正します。
・封をして保管する。
■公正証書遺言  
遺言者と証人2人以上で公証人役場へ行き、遺言者が公証人に対し遺言の趣旨を口授し、公証人はその内容を公正証書に筆記します。これを遺言者と証人に読み聞かせて間違いないことを承認したのちに、遺言者・証人全員が署名押印します。遺言者が病気などにより、公証人役場へ出向くことができない場合には、公証人に出張してもらうこともできます。
■秘密証書遺言  
遺言書を自分で書く(ワープロでも可)か、第三者が書いたものに署名押印をし、次に遺言者がこの遺言書を封筒に入れ、遺言書に用いた印で封印します。遺言者は公証人一人および証人2人以上の前に封書を提出して、これが自分の遺言書であること、自筆でないときは書いた者の氏名と住所を申述しなければなりません。公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封筒に記載した後に、遺言者および証人と共に署名押印し、秘密証書遺言が成立します。

遺言書を発見したときは

遺言書(公正証書による遺言を除く。)を発見したら、勝手に開封してはいけません。
遺言書の保管者又は発見者は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して,その「検認」を請求しなければなりません。家庭裁判所に置いてある「遺言書検認申立書」に「相続人等目録」を添付して提出します。検認手続きは、相続開始地の家庭裁判所か、遺言者の住所地の家庭裁判所でできます。
遺言書検認申立て手続きに必要な書類は、遺言書、遺言書検認申立書、被相続人(遺言者)の戸籍謄本・除籍謄本・改正原戸籍、申立人の戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、印鑑です。
そこで相続人またはその代理人の立会いのもとに開封し、検認してもらうことになっています。封印していない遺言書でも検認手続は必要です。この手続を経ないで開封しても、その遺言の効力は失われません。しかし、その検認を経ないで勝手に遺言を執行したり、または開封した者は、5万円以下の過料に処せられます。
この検認とは,相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。遺言が遺言者の真意であるかどうかや、遺言の有効・無効を審査する手続ではありません。

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Copyright © 2008 遺言書の正しい書き方・作り方